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被扶養者の認定について

健康保険では、被保険者の収入で生計を立てている扶養家族も、一定の条件を満たしていれば、被扶養者として加入することができます。そのため、扶養家族が増えたときや減ったときは、JR健保に届出が必要になります。

年間収入の考え方開く

認定対象者は被保険者によって生計を維持されてなくてはなりません。認定対象者が被保険者に生計を維持されているかどうかを確認するためには、認定対象者および認定対象者に関わる者の年間収入を把握することが必要となります。

基本的な考え方

被扶養者認定を行うときの年間収入とは、その方が受ける給与などすべての総収入額とします。したがって、交通費など課税の対象とならない収入も年間収入として算入します。

年間収入としてみなされる収入

恒常的に発生する収入
  • 給与収入(給与・賞与・各種手当・交通費などの現物給付)
  • 事業収入(自営業等による収入)
  • 農業収入
  • 不動産収入(土地や建物の貸し付けによって発生する収入)
  • 公的年金、個人年金
  • 配当収入(株式の配当金)
  • 利子収入(預貯金や公社債などの利子)
  • 雇用保険法による失業等給付
  • 傷病手当金
  • 出産手当金
一時的・臨時的に発生する収入
  • 退職金
  • 譲渡収入(資産譲渡によって得た収入 遺産相続・贈与によるものも含みます)
  • 山林収入(立木、山林などを売却あるいは譲渡したことによって得た収入)
  • 懸賞の賞金や金融商品(仮想通貨取引による雑所得等も含む)の売却益などの一時的な収入
  • 生命保険金による収入
  • 提出された書類のみでは年間収入が正確に算定できない場合は、新たな書類の提出を要請する場合やマイナンバー制度による情報連携を用いて所得証明書等の情報を確認する場合があります。

年間収入の算定方法

基本的な考え方として、被扶養者の認定は事実発生日から将来に向かって行うものであるため、事実発生日の直近の収入をもって判定します。JR健保では、原則として今後発生する収入をもって認定対象者の年間収入とみなします。
また、今後発生する年間収入が前年分の年間収入と著しくかけ離れる場合は、事実発生日からの年間収入の見込額をもって認定対象者の年間収入とみなします。

給与収入(パート等)について

  • 1.
    給与収入がある方の年間収入は、前年分の所得証明書および事実発生日からの年間収入を証明できる書類によって算定された金額を年間収入とみなします。
  • 2.
    年間収入には、期末手当・交通費など勤め先で支給されるすべての収入を算入してください。
  • 3.
    上記1.の金額から求められる1カ月あたりの収入が108,333円(60歳以上は149,999円)を恒常的に超えた場合、今後発生する年間収入が基準額を超えるものとみなされるため、被扶養者資格を取得することはできません。
  • 今後1年以内に退職する予定である場合や、1年未満の期間雇用契約で更新予定がない場合であっても、「その時点での契約等による収入を1年間得た場合の金額」で収入を判断します。
  • 被扶養者資格の定期的な確認(資格確認)時の審査は、上記に限りません。

年金等の収入について

年金等の1年間の受給額は、直近の振込通知書から算定される金額を受給額とみなします。

  • 所得税法上課税の対象とならない遺族年金および障害年金等も年金受給額として算入します。
  • 遺族年金を申請中の場合は、年金受給額が不明で正確な審査ができないため、受給額が決定してから(年金裁定通知書発行後)審査を行います。

一時的な収入について

  • 一時的な収入のあった年の1月から12月までの収入で判定します。ただし、恒常的収入がある間に一時的な収入があった場合は合算します。

事業収入・農業収入および不動産収入について

事業収入・農業収入・不動産収入がある方は、所得税控除前の総収入から当該生産活動に要する経費(=JR健保が必要と認めた経費)を差し引いた残額を年間収入とみなします。

主たる生計維持の判定開く

「1人あたり生計費」による判定

被扶養者とは「被保険者から経済的援助を受けて生計を立てている方である」という考えから、認定対象者に収入がある場合、被保険者が認定対象者を扶養とすることが社会通念上妥当かどうかの判断を「1人あたり生計費」により判定します。(配偶者、子(18歳未満・学生)は対象から除きます)
認定対象者が認定基準額を満たしている場合であっても、認定対象者「1人あたり生計費」の額が被保険者「1人あたり生計費」の額以上の場合は、被扶養者の認定を行うことが妥当性を欠くものと認め、被扶養者資格を取得することはできません。

  • 父母を被扶養者とする場合の「1人あたり生計費」は、被保険者と父母とが同居であっても、被保険者とは別に算出します。

「夫婦共同扶養」による判定

被保険者の配偶者に収入があるときには、認定対象者がどちらの収入によって主として生計を維持しているかを判断します。その場合、「夫婦共同扶養」の考えに基づいて以下のとおり扱います。

  • 被扶養者とすべき人の数にかかわらず、原則として年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだもの)が高い方の被扶養者とします。
  • 夫婦双方の年間収入の差額が1割以内である場合は、被扶養者の地位の安定を図るため、主として生計を維持する方の被扶養者とします。
  • (注)1.
    夫婦双方がJR健保の被保険者である場合、年間収入にかかわらず、いずれかの被保険者の届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とします。
  •    2.
    配偶者の収入が事業収入などであり、かつ、その配偶者が健康保険の被保険者であるときには、必要経費控除前の総収入(JR健保で必要経費とみなされる経費を除く)をもって判断します。
  •    3.
    主として生計を維持するものが育児休業等を取得した場合、当該休業期間中は、被扶養者の地位安定の観点から特例的に被扶養者を異動しません。ただし、新たに誕生した子については、改めて認定手続きを行います。

送金の方法開く

1.送金とは、認定対象者の生計費を補助するものなので、認定対象者の生計を維持できるように毎月あるいは隔月ごとに行うことが一般的です。なお、認定対象者の年収入が60万円未満の場合、ボーナス時に一括して送金することも可能です。

2.別居している認定対象者が無収入の場合、被保険者からの援助なしで生計を立てることは困難であり、被保険者からの送金が必要となります。認定対象者が生計を維持できる程度の送金(最低でも認定対象者1人あたりの収入と合わせて年間60万円となる額)を行っていることが被扶養者の認定にあたって必要になります。

被扶養者資格を取得できない場合開く

認定対象者が以下のいずれかに該当するときは、被保険者により主として生計を維持されている方とはなりませんので、JR健保の被扶養者資格を取得することができません。

  • 1.
    認定対象者が健康保険の被保険者(任意継続被保険者を含む)、船員保険の被保険者(任意継続被保険者を含む)または共済組合の組合員(任意継続組合員を含む)である場合
  • 2.
    認定対象者が、公務員の共済組合の組合員である所得者(公務員等)の扶養手当の支給対象となっている場合
  • 3.
    認定対象者が、営利、非営利を問わず法人格を有する事業所の役員である場合(非常勤役員の場合は別に判断します。)
    • 法人格を有する事業所は健康保険組合の強制適用事業所になります。
  • 4.
    事業所得・農業所得・不動産所得のある認定対象者の中で、人を雇って給与賃金を支払っている場合
    • 農業所得者が収穫の時期などで一時的に雇い入れるといった、臨時の雇用については実態に応じて個別に判断します。
  • 5.
    ある一定の使用者と契約を結び、その使用者から斡旋された仕事によって収入を得ている場合(「派遣業」 等がこれにあたります)
    • 上記「派遣業」については原則として認定されませんが、派遣元会社との契約内容によって下記の事項が確認できる場合は、被扶養者として認定される可能性があります。
      • 雇用条件(賃金・期間等)が明確であること
      • 今後の収入が認定基準額(130万円・60歳以上の者の場合は180万円)未満であること
      • 派遣会社の健康保険に加入できない理由が明確なこと
  • 6.
    雇用保険法による失業等給付を受給し、当該給付を含め、年間収入が認定基準額以上となる場合
    • 雇用保険法による失業等給付は、基本手当日額が3,612円(60歳以上の者の場合は5,000円)以上の場合、年間収入が認定基準額以上であるとみなします。
    • 特例一時金などを受給している場合も上記と同様です。
    • 公共職業訓練などを受けた際に支給される受講手当や通所手当は、基本手当日額に合算して失業等給付の日額を判断します。
    • 求職申込み後、待期・給付制限期間中については、現に失業等給付を受給していないことから、期間終了までの間、JR健保の被扶養者資格を取得することができます。
    • 失業等給付の受給延長の手続きをしている場合は、ほかの条件が備わっていることを条件に延長期間が終了するまで(待期期間がある場合は、待期期間満了まで)の間、JR健保の被扶養者資格を取得することができます。
  • 7.
    一時的な収入の取扱いについて
    • 一時的な収入があり、その収入により生計を維持していると認められる場合には、所得証明書などにその収入が反映される期間(収入のあった年の翌年の6月1日から翌々年の5月31日まで)被扶養者に該当しないものとします。
  • 8.
    傷病手当金・出産手当金について
    • 傷病手当金は、休業1日につき給付される額が3,612円(60歳以上の者の場合は、5,000円)以上の場合、年間収入が認定基準額を超えているとみなします。
    • 出産手当金は、休業1日につき給付される額の98日分が認定基準額を超えるか否かで判断します。

申請に必要な添付書類開く

被扶養者資格の認定を行う場合、添付書類がその必要な要件を備えているかどうかの判断材料になります。また、被扶養者資格を喪失する場合でも、その喪失年月日の決定に必要となります。

主な添付書類を以下に記載します。しかし、これらの添付書類をもって認定しかねる場合は、さらに必要と思われる添付書類の提出を求める場合があります。

なお、一度提出された添付書類は、被扶養者資格の認定の証拠書類となるため、認定結果に関わらず返却できませんので、あらかじめご了承ください。

提出する添付書類は、6ヶ月以内に発行されたもので、記載内容が最新の状況等と相違ないものを提出してください。また、マイナンバー制度による情報連携を用いて公的機関が保有する情報を確認する場合があります。

書類取得目的と書類提出上の注意

A 続柄および被扶養者の状況確認

JR健保指定の扶養認定対象者現況表(18歳未満の子の認定の際には不要です)

住民票記載事項証明書(世帯全員のもの)

  • 被保険者の世帯全員の「住所」「氏名」「生年月日」「性別」「被保険者との続柄」がわかるように証明してもらってください。
  • 住民票を提出する場合は、本籍、筆頭者、住民票コードが省略されているもの、または、当該事項を塗りつぶしたものを提出してください。
  • 認定対象者が被保険者と別居している場合も、被保険者の扶養の状況を確認する必要があることから、同じ要領で、認定対象者の世帯全員の証明をもらってください。なお、同一住所において世帯主が複数いる場合は、それぞれの世帯主ごとに世帯全員の証明が必要となります。
  • 婚姻や養子縁組による申請の場合は以下の書類が必要です。婚姻届受理証明書・養子縁組届受理証明書
  • 認定対象者が外国人の場合、以下の書類が必要です。
    在留資格と在留期間〔1年以上〕が記載された住民票(写し)または、在留カード(旧・外国人登録証明書に相当します)の両面の写し(在留カードは在留資格と在留期間〔1年以上〕が確認できるものを提出してください。)

B 所得の有無および生計維持関係の証明

※必ず添付する書類

 所得証明書又は納税者用の特別徴収税額の通知書、普通徴収税額の通知書(写し)

所得証明書に計上されている内容や現況表の記載内容に応じて、以下の書類が必要となります。

  • 1.
    事業収入、農業収入、不動産収入がある場合
    確定申告書および収支内訳書(写し)
    • 認定対象者に事業所得・農業所得・不動産所得がある場合、年間収入算定のために必要となりますので、税務署に提出する前に必ず写しを取ってください。
  • 2.
    年金収入がある場合
    最新の年金額改定通知書(写し)または年金額裁定通知書(写し)および直近の年金支払通知書(写し)など
    • 所得税法上、課税対象にならない遺族年金および障害年金等も含みます。
  • 3.
    給与収入が計上されており、事実発生日時点で就労している場合
    給与等支払実績額および見込額証明願
    • 年間収入が基準内であることや、減少したことを証明する書類となります。
    • 勤務先の雇用条件を明示した書類や勤務先で作成した給与支払実績額(あるいは見込額)証明書でも結構です。
  • 4.
    給与収入が計上されているが、事実発生日時点で既に退職している場合
    雇用保険法に定める失業等給付の受給の有無を証明できる書類
    • 失業等給付を受けない場合
      資格喪失確認通知書(写し)、または雇用保険被保険者離職票1および2(写し)
    • 失業等給付の受給延長をする場合
      受給期間延長通知書(写し)
    • 失業等給付を受給する場合・終了した場合
      雇用保険受給資格者証の全項(写し)
    • 待期・給付制限期間中の場合
      雇用保険受給資格者証の全項(写し)
    • 雇用保険未加入の場合
      元勤務先事業主による雇用保険加入の有無の証明
    出産手当金を受給していることが証明できる書類
    • 退職時の標準報酬月額が確認できる書類、出産手当金支給通知書など
    傷病手当金を受給していることが証明できる書類
    • 退職時の標準報酬月額が確認できる書類、傷病手当金支給通知書など
  • 5.
    被保険者と対象者が別居している場合
    在学証明書(「学生」であること。ただし、英会話学校などの「民間教育施設」や、夜間の学科・通信教育課程および海外の学校に在学・在籍する方は含みません)
    送金計画書および送金事実を証明できる書類(「学生」に該当する場合、省略可です)
    • 送金事実の証明は、金融機関および公的機関を介したものであり、受け手と送り手と送金額が明らかにわかるものでなくては認められません。

C 加入している(していた)医療保険制度の確認

健康保険の資格を喪失していることを証明できる書類 健康保険資格喪失証明書
国民健康保険に加入していることを証明できる書類 国民健康保険証の写し

D 別居者に対する送金の事実の証明

  • 1.
    送金の事実を証明する書類
    別居者に対する送金の事実を証明する書類は「送り手と受け手がわかるもの」で、次にあげる書類です。
    • 郵便振替受付票・払込金受領証の写し
    • 振込金受取書の写し
    • 現金書留については、送金者・受領者・送金日・送金額が証明された書類
      • 消印が押印されている封筒の写しと本人控えの写しなど
    • その他、送り手と受け手が明確な書類
      • 同一名義人口座に通帳入金・カード払出をしている場合など、送り手と受け手がわからない場合は、送金の事実を証明する書類と認められません。
  • 2.
    送金の方法等
    別居者に対する送金方法などについては、次によるものとします。
    送金額
    • 認定対象者の年間収入額より多くの送金を行うこと
    • 認定対象者の年間収入額が60万円以下の場合には、当該年間収入額以上の送金額が必要であり、収入額と送金額との合計が1人あたり60万円以上であること。
    送金回数
    • 毎月または隔月の送金
    • 毎月(隔月)とボーナス併用による送金
    • 送金額が60万円未満の場合(年間収入額0円の場合を除きます)は、一括もしくは年2回による送金

申請期日

健康保険法では、「被扶養者を有するに至ったときは、5日以内に、「被扶養者届」を事業主を経由して健康保険組合に提出しなければならない。」と定められていますので、速やかに申請手続きを行ってください。

  • 被保険者が、被扶養者の申請を行う場合は、事実発生日から30日以内に必要な添付書類を揃え、会社の健保担当箇所経由でJR健保に提出してください。
  • 手続上必要な申請書類の発行が遅れる場合には、必要書類を後日提出する旨を「被扶養者(異動)届【取得】」の事業主特記事項欄に記入し、30日以内に書類不備状態のまま会社の健保担当箇所経由でJR健保に提出してください。
  • 事実発生日から30日までに、いずれの手続きが「特段の遅延理由」により間に合わなかった場合は、被保険者は「被扶養者(異動)届【取得】」に「遅延事由書」を添付し、提出してください。その遅延理由の内容により認定日の判断を行います。