サイト内検索付きヘッダー

ジェイアールグループ健康保険組合 ジェイアールグループ健康保険組合

お問い合わせはこちら

ホームさわやかけんぽ記事一覧「特定保健指導の実施率向上に向けた取り組み」 ~JR貨物 東北支社~

「特定保健指導の実施率向上に向けた取り組み」 ~JR貨物 東北支社~

公開日:2025/12/12
更新日:2025/12/12

JR貨物では、これまでもJR貨物グループに関わるすべての方の健康を願い、健康経営の取り組みを進めてきましたが、より一層推進するべく、2025年3月に「JR貨物グループ健康経営宣言」を策定し、グループ全体で様々な取組みを行っています。

特に今回、東北支社では、これまで低迷していた特定保健指導の実施率について、様々な工夫により飛躍的な向上を実現しました。

この度、これらの取組みが、JR健保の「令和7年度 健康増進の取組みに関する表彰」における「健康施策部門表彰」として表彰されましたので、以下にその取組みをご紹介します。

(はじめに) JR貨物の健康経営の取組み ※JR貨物HPより一部参照

JR貨物の健康経営の取組み(JR貨物グループ健康経営宣言)

JR貨物グループでは、健康経営に取り組んでいますが、グループに関わるすべての方の健康を願い、健康経営をより一層推進すべく、2025年3月に「JR貨物グループ健康経営宣言」を策定しました。

健康経営スローガン

社員と家族の健康=鉄道×物流のミライ

「健康宣言」

JR貨物グループは、鉄道を基軸とした総合物流企業グループへの進化を目指し、「物流生産性の向上」「安全・安心な物流サービス」「グリーン社会の実現」「地域の活性化」の4つの価値を社会に提供し、社会課題解決に貢献し続けることを使命としています。
その実現のためには、社員一人ひとりが働きがいを持ち、いきいきと活躍できる環境が不可欠であり、社員とその家族の健康づくりは最も重要な基盤であると考えます。
全国のグループ社員の力を結集し、安全を基盤とした物流のプロとして“なくてはならない存在”へと進化するため、社員の心と身体の健康づくりに積極的に取り組みます。

「目的」

  • 社員の健康増進を通じて、安全で高品質な物流サービスを支え、企業の持続的な発展に貢献する。
  • 社員一人ひとりが心身ともに健康で、働きやすい職場環境のもと、いきいきと活躍できる職場風土をつくる。

【出典元:JR貨物HP】健康経営の取組み | JR貨物 日本貨物鉄道株式会社

取組みの目的と概要

JR貨物として、健康経営の取組みの柱の一つとして特定保健指導の実施率を高め、生活習慣病リスクの高い社員に対して、生活習慣病の早期発見と対策を可能とする体制を整える方針を立てました。

しかし、JR貨物の現業社員は、貨物列車の運行ダイヤが変則的であることから、特定保健指導の実施計画を立てること自体が困難な状況にあります。さらに、特定保健指導はすべて外部委託で実施していることから、面談日程の調整にも手間と時間を要し、実施に至るまでには様々な課題を抱えています。

こうした厳しい状況の中ではありますが、東北支社では特定保健指導の実施率の向上を目指して以下の取組みを実施しました。

具体的な取組みの内容

【取組み①】現場長向けの説明会等を実施
特定保健指導の初回面談実施に向けて、現場長向け説明会を実施しました。説明会では、特定保健指導は、生活習慣病の予防・重症化防止を目的とした重要な制度であり、JR貨物における健康経営の取組みの柱の一つである、「生活習慣の改善」に直結する、重要な取組であるため、運転士等のシフト調整に対して全面的な協力をお願いしたい旨の説明を行いました。また、実施にあたっての連絡文書では、やむを得ず初回面談を実施できない社員について、理由を含めて報告してもらうような仕組みとしました。

【取組み②】初回面談実施期間の延長
貨物列車の運行ダイヤが変則的で変更が多く、調整が難しいことから、初回面談期間をあえて長く確保することで、特定保健指導を前提としたシフト調整を行い、初回面談の実施率向上を図りました。

【取組み③】ICT面談の導入
また、対面での面談調整が難しい現場に対しては、共有端末を活用したICT面談を導入することで柔軟に対応し、実施率の向上が可能となりました。


※イメージを生成AIで作成

取組みの結果・振返り

このような取組みを、現場と粘り強く調整して実施した結果、初回面談の実施率は、9割を超える水準まで向上しました。
前年度の特定保健指導実施率は36.7%にとどまっていたことからも、今回の取り組みが支社全体の意識改革につながったことがうかがえます。

JR貨物では健康経営の浸透がまだ十分ではなく、「特定保健指導は任意である」という認識が強く、対象者からの受け入れが難しい面があります。そのような状況下においても、東北支社は粘り強く、各現場と連携・調整を図ることで、初回面談の実施率向上を実現しました。

この取り組みは、ただ実施率を高めただけでなく、「どうせ無理だろう」という諦めの空気を、「やればできる」という前向きな意識へと変える、大きな一歩であったと考えます。

また、これらの取り組みにより、職場内では「特定保健指導は受けるもの」という意識が定着しつつあり、健康への関心も高まりました。実際に、自主的に生活習慣の見直しに取り組む社員も複数確認されています。

一部の対象者からは「自分の生活習慣を振り返るよい機会になった」との声もあり、行動変容の初期段階として一定の効果が認められています。今後も継続的に特定保健指導の実施を促し、社員の健康意識を定着させるとともに、BMI、血圧、血糖値などの定量的な健康指標の改善につなげていきたいと考えています。


JR貨物 東北支社の皆様、表彰受賞おめでとうございます!