融合と連携で取り組む健康経営 ~JR東日本 盛岡支社 盛岡統括センター(乗務ユニット)(旧盛岡運輸区)~
公開日:2024/12/24
更新日:2024/12/24
- ※ 盛岡運輸区は、令和6年3月16日のダイヤ改正にあわせ、盛岡営業統括センター(盛岡駅、いわて沼宮内駅、二戸駅)と統合され、盛岡統括センター(乗務ユニット)となりました。
盛岡運輸区は、運転士・車掌を中心に約220名の社員が所属する乗務員区で、主に東北本線・田沢湖線・花輪線・釜石線・山田線の乗務を担当しています。
盛岡運輸区では、JR東日本の「健康経営中期ビジョン2023」の最終年を迎えるにあたり、社員のヘルスリテラシー向上や数値目標の達成を目的とし新たに「厚生・健康推進委員会」を発足させ、健康経営の指針を職場単位に落とし込むために、職場の特異性に適した情報提供などによる健康意識向上に取組みました。
この取組みが、JR健保の「令和6年度 健康増進の取組みに関する表彰」の箇所表彰部門で表彰されましたので、ご紹介します。
現状の把握 ~「盛岡エリア健康推進報告書」の作成~
はじめに、盛岡エリアの現状を把握するため、4職場(盛岡運輸区、盛岡営業統括センター、盛岡新幹線運輸区、盛岡車両センター)の社員を対象としたアンケートを実施しました。アンケートの内容は、食事、運動、睡眠など7項目とし、各職場の特異性を明確にすることで、その後の活動に活かすことができるように努め、結果を「盛岡エリア健康推進報告書」として取りまとめて発行しました。この活動を通じて、同様のプロジェクトチームを立ち上げた盛岡新幹線運輸区と相互に情報共有や発信に取組むとともに、イベント開催などで連携することになりました。

乗務員特化型の健康情報発信
「盛岡エリア健康推進報告書」により、盛岡運輸区では、朝食摂取率が課題であることが明らかとなりました。朝食を摂取しない主な理由は、「時間がない」「食欲がない」となっており、乗務員の不規則な勤務体系の影響が如実に表れる結果となりました。そこで、「乗務員特化型の即実践可能な情報提供」によりヘルスリテラシーを向上させることを目的に、食事と健康に関する情報を盛り込んだポスターを作成、掲示しました。
ポスターは、興味を持ってもらうためマンガ調にするとともに、当事者意識を感じていただけるように一般社員に出演してもらうなど、工夫に努めました。内容については、乗務員の特性を考慮し、メンバー内の勉強会での議論や盛岡健康推進センターとの連携を通じて決定しました。10種類(水分補給の重要性、コーヒーのメリット、コーヒー&バナナ最強説、歩数と健康、たんぱく質&おすすめ商品、たまごのススメ、トマトジュースのススメ、質の良い睡眠、血管ツルピカ大作戦、今さら聞けない健康〇〇)をシリーズ化し、定期的な情報発信を行いました。

健康チェックイベント開催
盛岡健康推進センターと連携し、社員の健康意識醸成を目的とした健康チェックイベントを2日にわたり開催しました。保健師による「朝食の重要性」についての講義、開眼片足立ちや座位両足開閉など5種類の測定を実施するとともに、体内年齢や脳内年齢、血管年齢をスコアとして数値化することで、自身のカラダに興味を持ち、今後の運動習慣・食生活改善のきっかけとしていただけるよう努めました。
イベント開催について広く周知したことで、盛岡支社や盛岡新幹線運輸区含む、合計60名の方に参加していただき、盛況のうちに終えることができました。

みんなで歩活イベント活性化
「みんなで歩活」については、以下の取組みの実施に努めた結果、2021年秋開催時の38%から、2023年秋開催時には85%へと大きく参加率を向上させることができました。
イベント周知の強化
広く開催を周知することで関心度を高めるため、視覚的に興味を引くポスターの制作を行いました。また、チームメンバー募集用の掲示板を職場内に設置し、気軽に参加できる風土づくりに努めました。
エンタメ性向上
チームでスコアを競うイベントを開催し、進捗状況を把握するためのマップを作成することで見える化を行いました。マップは職場管内の駅をモチーフとすることで親近感を持ってもらうとともに、廃駅なども記載することで、話題性を提供し、コミュニケーションの一助となるよう工夫しました。また、マップやチーム順位は3日おきに更新するとともに、社内SNSで発信し競争心を刺激するよう努めました。
参加メリットの周知
アプリへのログインや歩活期間中に一定の歩数を歩くことでポイントが付与されるメリットがあることを周知しました。また、職場独自イベントでは、スコア上位の優秀チーム表彰とともに、個人賞を設定し、多くの社員に達成感を味わってもらえるよう工夫しました。
ウォーキングレクの開催
参加登録するだけでなく、「実際に歩く」ことを後押しするとともに、地域の魅力を再発見することを目的に「MORIOKA ALOOK」と題したウォーキングレクを開催しました。紅葉で色づく盛岡市内を約1時間周遊し、終着点を毎週土曜限定の食祭市場とするなど、コース設定にも工夫を凝らしました。家族連れで参加した社員もおり、コミュニケーションを深める機会となりました。

効果測定 ~「盛岡エリア健康推進最終報告書」の作成~
一連の活動の後、再度、盛岡エリア4職場の社員にアンケートを実施し、「盛岡エリア健康推進最終報告書」として取りまとめました。結果、今回の取組みにおいて健康経営推進に積極的な介入を行った盛岡運輸区、盛岡新幹線運輸区において、各項目で数値改善に大きな優位性が見られました。また、乗務員特化型の情報発信については、「〇〇を意識するようになった」「食事を選ぶようになった」「〇〇を心がけるようになった」など、内面の変化に対する大きな反響が見られました。

活動のまとめ
今回の活動を通じて、以下のことが分かりました。
- ① 健康推進に対する積極的な介入と数値改善には相関性がある
- ② 行動の変化には意識変化が必要不可欠である
- ③ 具体的な行動を示すほうが意識への影響度が高い傾向がある
引き続き、積極的な介入を前提に、社員の生活や勤務体系に寄り添った提案を行うことで「まずはやってみよう」と意識の変化を生み出すことができるような活動を継続し、健康経営の実践に取組んでいきます。

盛岡統括センター(乗務ユニット)の皆様 ありがとうございました!