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筋トレ動画でダイエット&労災防止 ~稲沢機関区(JR貨物)~

公開日:2024/02/20
更新日:2024/02/20

 JR貨物東海支社稲沢機関区は、東海道本線の名古屋~岐阜間の、かつては日本三大操車場のひとつであった稲沢操車場の中にある、貨物列車の運転士が勤務する総勢214名の現業機関です。貨物列車の運転士は、運転する時間帯の関係もあって、食後すぐに仮眠を取るなど不規則な生活リズムとなる傾向があり、メタボリックシンドロームで特定保健指導の対象となってしまう方が増えています。加えて、労災においては熱中症や歩行時の転倒等のリスクもあり、対応を検討していたところ、運動や食事など健康意識の高い運転士から「筋トレが効果的なのではないか」という提案があり、健康管理と労災防止を目的に、社内のC&C活動として取り組むこととしました。
 この取り組みが、箇所表彰部門で「健康増進の取組みに対する表彰」を受けましたので、紹介します!

筋トレ動画の作成

 なぜ筋トレなのか?筋肉量が増えると基礎代謝量が増加し、太りにくい体になります。それに伴い、血糖値や血圧にも良い影響を及ぼすため、特定保健指導対象者を減らすためには有意義であると考えました。運動の習慣化を意識づけるため、 「見やすい、分かりやすい、面白い」を第一に、運動レベルに応じた筋トレ動画を作成しました。
 まずは、業務に関連がある「熱中症予防(夏)」や「労災防止(冬)」にも筋肉量を増加させることは役立つことから、そちらをテーマとして皆の興味をひくこととし、最後に「ダイエット」をテーマとした動画を作成しました。
 なお、社員への情報発信ツールとして各現業機関に設置されているデジタルサイネージを活用し、自箇所のみならず支社内の社員へ訴求することができ、より多くの人に筋トレに興味を持ってもらうことができました。実際に、現在も筋トレに励む社員が各所に大勢います。


第1弾 熱中症対策に筋トレ(2021年夏~)

 熱中症対策といえば水分補給・休養・朝食などがよく挙げられますが、実は「筋トレ」も効果的なのをご存じですか?筋肉は体内の水分タンクの役目も果たすので、筋肉量を増やすことで脱水しにくい身体をつくることができます。そのため、まずは、3種類の腹筋トレーニングを紹介しました。
 トレーニングとは縁遠い管理者に協力してもらい動画に出演いただくことで、職場のみんなが興味を持って動画を見てくれました。「自分でもできる!」「やってみよう!」という気持ちをもってもらい、トレーニングを始めるきっかけづくりとして成功しました!
 なお、2022年度は2件の熱中症が出ましたが、2023年度は0件でした!


第2弾 冬の労災防止に筋トレ(2022年1月ころ~)

 冬は地面が凍るため、元々足腰が強くない方や、まだ寝起きで身体が目覚めていないなど、滑って転倒のリスクが高まります。転倒による労災は大けがにつながります。幸い稲沢機関区では近年労災は発生していませんが、ヒヤリハットも撲滅するため、つまずいたときにしっかりと踏ん張れるよう下半身を鍛えるエクササイズを紹介することとしました。正面からと横からの動画を作り、「正しいスクワット」を3種類、前回同様管理者に出演協力いただき、楽しく伝えることとしました。また、エンディングでは、小ネタを挟むことで話題性を得ることができ、今まで興味がなかった人でも、まずは最後まで動画を見てみるきっかけを作りました!


第3弾 正しいダイエット知識をつける(2022年初夏~)

 最後にダイエットです!愛知県を拠点に活躍する女子野球チーム「東海NEXUS」の選手とコラボして、身体づくりに興味を持ってもらえるように楽しい動画を作成しました。この中では、ダイエットに関する知識と筋トレを紹介しました。紹介した筋トレは、「HIIT(高強度インターバルトレーニング」です。20秒全力で腕立てやスクワット、ももあげなどを行った後、10秒休憩・・・を2分間繰り返すというトレーニングで、とてもきついですが、フォームなど難しいことは気にせず、とにかく体を動かし、心拍数を上げることが目的とされており、実施後24時間以上、代謝が高まった状態が続くため痩せやすい身体づくりができます!
どんな人でも取り組んでみることができるように、初級と中級以上のレベル別の動画を一度に放映しました。また、東海支社に所属するNEXUSの選手に2分間ノーカットで取り組んでもらう動画としたことで、きついながらも楽しそうな表情を放映し、見た人も「やってみよう」という気持ちを掻き立てました。


第4弾 筋トレQ&A

 全ての動画放映後、2022年9月に、身体づくりへの意識調査のため、近隣の3職場(計155名)でアンケートを実施しました。アンケートに回答があった社員のうち約5人に1人は実際に筋トレを始め、2人に1人以上が身体づくりに興味をもったと回答しました。また一方的な情報発信だけではなく、社員から問い合わせのあった質問に対して、動画を作成して回答するなど、幅広い層が興味をもてるような工夫をしています。


効果の検証

 特定保健指導対象者について検証すると、2022年度と比べて2023年度は減少していました。動画により運動習慣の定着化を図ったことが一要因であると考えています。


稲沢機関区における特定保健指導の対象人数

今後の取組みについて

 今後は近隣の職場にとどまらず、支社全体や支社を超えたエリアでもアンケートを実施し、社員からの問い合わせに回答することで、JR貨物全体の健康増進に繋げたいと考えています。今後も稲沢機関区のC&Cチーム「筋トレLOVES AA」にご注目ください!


稲沢機関区の皆様、ありがとうございました!