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特定保健指導実施率向上に向けた取り組み ~秋田健康推進センター(JR東日本)~

公開日:2024/01/12
更新日:2024/01/12

JR東日本秋田健康推進センターは、社員が心身ともに健康で職場や家庭で充実して活躍できるよう、9名のスタッフが産業保健活動を行っており、健康診断、職場巡視、特定保健指導、重症化予防のための保健指導等に日々従事しています。

特定保健指導実施計画の全面見直し

秋田支社社員に対する特定保健指導は、2018年から部外の保健指導機関が実施主体となって取り組んできましたが、2019年度の特定保健指導実施率は2.8%とかなり低い状況でした。その後、周知や勧奨を行い、2020年度4.8%、2021年度9.7%と少しずつ向上はしているものの低迷している状況が続いていました。

この状況を改善するには抜本的に仕組みを変えなければならないと考え、
◆2022年度から特定保健指導の実施主体を部外機関から秋田健康推進センターへ変更
◆実施計画の全面的な見直し
を行いました。

特定保健指導の実施率向上、また効率的に特定保健指導を実施するには、参加勧奨等、現業機関からの一層の協力が不可欠と考え、スタッフ内で議論を重ねながら現業機関との協力体制の構築、効率的に実施する仕組み構築に取り組みました。

取り組み①:特定保健指導実施主体の変更と現業機関との協力体制

特定保健指導の実施主体を部外機関から当センターに変更することを周知するとともに、特定保健指導の対象者への募集案内の手交や、参加勧奨、また初回面談の実施日時の集約は箇所長に対応していただく等、箇所長を巻き込み全面的に協力いただけるよう、秋田支社勤労課と協議を行い連絡文書を作成しました。


対象者本人と当センターの間に入りスケジュール調整をしていただくため、箇所長には負担の大きい取り組みですが、丁寧に説明し、一緒に取り組んでいくということを継続して声掛けしたことで、協力を得られるようになりました。また、箇所長に「特定保健指導の重要性」を理解していただけるきっかけとなり、健康管理意識の向上にも繋がりました。

また、当センターの保健師が特定保健指導を実施するため、秋田支社内においてお互い業務の内容や顔を見知っている安心感から相談しやすいということで、気軽に指導を受けてもらえるようになり、実施主体の変更に意義があったと感じています。

取り組み②:効率的な特定保健指導実施の仕組みの構築

効率的に特定保健指導を実施するために、office365アプリの一つであるTeamsを有効活用した取り組みを行いました。

●Teamsのチャット機能を現業機関との連絡ツールとして活用
対象社員がいる箇所全体を1つのチームに招待し、閲覧制限を設けた箇所ごとの個別チャンネルで、対象社員のスケジュール調整や箇所長自らに共有すべき情報の提供のやり取り等をチャットで行うようにしたことで、従来のようなメール整理時間に手間を取られることなく効率的に進めることが可能になりました。

●Teamsのオンライン面談の取り入れ
Teamsを活用したオンライン面談を新たに取り入れました。オンライン面談用のブースを健診室内に作り、プライバシーに配慮しながら同時に3つの面談が実施可能となり、限られた日程で多くの面談の実施が可能になりました。
一方で、対面で面談をしたいと申し出があった方については、当センターに来所のうえ対面での面談も実施可能とし、対象社員の方々のニーズに応じた支援を実施しています。

●特保データ入力アプリの作成
面談時に収集した食習慣や運動習慣などの情報を効率よく入力できるよう、Power Appsで特保データ入力アプリを作成しました。操作がしやすいよう、日付選択をしやすくしたり、入力データをドロップダウン形式等に個別に設定して、操作がしやすいよう工夫しました。翌年以降もデータを引き継ぐことができるので、継続して健康管理をすることにも役立っています。


チャット機能を活用したことで、現業機関とのコミュニケーションが取りやすくなったこと、箇所長にとっても対象者への通知から保健指導実施までの流れがわかりやすくなったことで、参加勧奨や日時集約がしやすくなり、協力が得やすくなりました。また対象社員にとっては、箇所長が保健指導のことを知ってくれているので困った時に相談できる、という安心感にも繋がりました。

オンライン面談についても、時間や場所の選択肢が増え利用しやすくなったといった意見をいただくようになりました。

効果

地道な周知の努力により特定保健指導の認知度が高まり、また、ICTを活用した面談実施の推進により利用しやすくなったことで初回面談実施率も年々増加しました。
2022年11月⇒17件、2023年3月⇒45件、2023年4月⇒54件と、総数116件の面談を実施。
また、最後まで指導を受けていただける方も増え、秋田支社の特定保健指導実施率を大幅に向上させました!


今後の取り組み

実施主体の変更、実施計画の見直しを行って2年目であることから、まずは特定保健指導を知ってもらい、少しでも多くの方に受けていただけるよう、引き続き現業機関・支社と連携を図りながら、取り組んでいきたいと思っています。
一つのやり方に固執せず、時代の流れ、社員や箇所長からの要望にも応じて柔軟に支援し、JR東日本の健康経営に寄与していきたいと思います。


秋田健康推進センターの皆様、ありがとうございました!