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紹介状返信率向上の取組み~岡山健康増進センター(JR西日本)~

公開日:2022/04/06
更新日:2022/04/07

 JR西日本岡山健康増進センターでの、紹介状返信率向上の取組みについて、ご紹介します。ここでの「紹介状返信率」とは、定期健康診断結果から、「要受診」「要精密検査」となった方が、紹介状を持参して医療機関を受診する受診率(医療機関から健康増進センターへの紹介状に対する返信率)のことです。
 JR西日本全体の健康経営の取組み(からだの健康)においても、社員の行動目標のひとつとして「紹介状返信率80%以上」という目標値が定められています。


取組みの経緯

 以前は、岡山健康増進センターは嘱託産業医体制であったため、基準値をもとに機械的に紹介状を発行しており、その際の返信率は低い年は4割程度でした。当時の社員の声として、『紹介状を持参し病院を受診したが、病院で「なぜこの程度で受診したのか」と言われた』というような意見もあり、こうした声が広まることによって、本来少しでも早く精密検査を行わなければならない状況にも関わらず、受診しない社員が増えるのではないかという危険性を感じていました。
 そこで当年の定期健診結果数値だけを基にした機械的な発行ではなく、健診結果データをもとに過去からの生活習慣や年齢、既往歴等、社員個々の状態を総合的に判断した「質の高い」紹介状の発行をベースにした受診率(返信率)の向上を目指すべきと考えて、2011年ごろから取組みを始めました。

具体的な取組み内容

対象者

JR西日本岡山支社の社員で、定期健康診断を受診した結果、精密検査または加療目的で病院受診が必要と考えられる方。

実施内容

①定期健康診断受診後
 定期健康診断の結果がD・E判定だった社員のうち、過去数年の経過や生活習慣の状況等を確認し、病院受診の必要性が高いと考えられる社員に紹介状を発行しています。
②紹介状発行後
 紹介状をすべて発行し終わった段階で、現場長に紹介状発行者リストと返信状況を報告しています。未受診の社員がいる箇所の現場長には、産業医が直接伝達し、受診を促してもらうようお願いしています。
③紹介状発行後3ヶ月
 紹介状を発行した後、3ヶ月以上が経過しても病院からの返信がない対象者に産業医面談を実施しています。

取組みの成果

 定期健康診断受診後に紹介状を受け取った際に、病院受診の必要性を理解し、自主的に受診する社員が増加してきたと感じています。また、各職場の管理職の方が進んで受診勧奨してくれるようになり、組織として協力体制が整ってきたことを実感しています。実際に紹介状返信率の数値で見てみても、JR西日本全体と比べて岡山支社は高い返信率となっています。特に2019年度と2020年度を比べると、コロナ等の影響もありJR西日本全体では、66.4%から61.4%と低下しましたが、岡山支社では94.2%から97.8%に向上し、過去最高となりました。(下図グラフ参照)


さらに深堀り!~現場の皆様にインタビューしました~