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睡眠改善委員会による「眠気が来る前の睡魔対策」~大分車掌センター ※現大分乗務センター(JR九州)~

公開日:2021/08/10
更新日:2021/08/11

 JR九州大分車掌センター(取材当時の名称)は、日豊本線等に乗務する、社員数約75名の車掌職場です。(大分車掌センターは、2021年3月13日に職場の統合により大分乗務センターとなり、現在は管理者、車掌及び運転士を合わせて約250名の運輸職場となりました。)
 2019年に睡眠改善委員会を立ち上げ、「乗務員のための睡眠7か条」に関する掲示、睡眠に関するアンケート、ウェアラブル端末を用いた睡眠データの分析、それらをもとにしたアドバイス等を実施することで、従来取り組んでいた「眠気が来てからの睡魔対策」だけでなく、「眠気が来る前の睡魔対策」に力を入れて取り組みました。

「乗務員のための睡眠7か条」に関する掲示

 JR九州内で周知されている「乗務員のための睡眠7か条」の各項目に対応した掲示を作成し、睡眠に関する知識や過去の事象、眠くならないための対策等を発信しました。掲示を見た乗務員が委員会メンバーに掲示の話や睡眠に関する相談に来るなど、職場内における睡眠への意識を高めることができました。


睡眠に関するアンケートの実施

 睡眠の悩みや乗務の際に眠気を催しやすい列車のアンケートを、全乗務員に対して実施し、委員会メンバーによるアドバイスや眠気を催す要注意列車の掲示を行いました。
 アドバイスにおいては、「睡眠改善インストラクター」(一般社団法人 日本睡眠改善協議会認定)の資格を持つ委員会担当助役の知見や、書籍等を用いた委員会内での勉強会で得た知識を活用して、一人ひとりに合ったアドバイスを行いました。
 眠気を催しやすい列車としては、昼食後の列車や、朝早くから乗務を開始する行路の中で夜遅い時間に乗務する列車、駅間が長い特急列車が挙がりました。
 その他、アンケートに興味を持って答えてもらえるよう、改札機の形をした回収ボックスを手作りするなど工夫してアンケートを実施しました。


ウェアラブル端末を用いた睡眠データの分析

 Fitbitという睡眠等を記録できるウェアラブル端末を用いて、乗務員16名の睡眠データから睡眠の質や睡眠段階を分析し、委員会メンバーによるアドバイスを行いました。
 分析によって、乗務中の泊先での睡眠の質が低いことや、睡眠の質低下の原因が人によって様々(就寝前のスマートフォン操作、頻尿等)であることが分かりました。
 アドバイスでは、一人ひとりの睡眠の特徴を捉えたアドバイスを心がけつつ、寝るまでの過ごし方の重要性や、帰宅後の睡眠の重要性、普段の睡眠の重要性を伝えました。
 睡眠の質が低かった乗務員の多くはそれまで自覚がなかったようで、この取り組みで質の低さを見える化したことで、睡眠への意識を高めることができました。 

さらに深堀り!~現場の皆様にインタビューしました~

JR健保から


 睡眠は乗務員に限らず、生活習慣の基本として疲労回復の面においても重要ですね。日常生活で免疫力を高める方法のひとつとしても睡眠が挙げられています。まだまだ新型コロナウイルス感染症の収束の兆しが見えない中、再度こちらのコラム(さわやかけんぽ88号さわやかコラム)もご覧いただき、免疫力を高める生活を実践してみてください。